【読書感想ブログ】ショートショート実験室

ショートショート実験室 | 田丸雅智 |本 | 通販 | Amazon

ショートショート実験室」というからには短編集なのだということはわかるけど、「実験室」とはどういう意味なんだろう?作者の実験的な技法なりを用いた短編集なのだろうか?そういう興味本位からこの本を手に取りました。最初の物語は「二酸化炭素バスターズ」。ある男性が朝散歩に出てみると、大きな掃除機のようなものを背負って何やら吸い込んでいる男性と出会う。掃除機の男性に話を聞くと地球温暖化対策の一環で大気中の二酸化炭素を吸っているのだと言う。いくつかの問答の後、散歩中の男性も二酸化炭素バスターズに入りたいというのだが。。。

1、2編読んでなるほど環境問題を取り上げて風刺を利かせたファンタジー小説であり、こういう風に環境問題に取り組んでみたらどうだろうか?という実験も兼ねているのだろうなと思い至りました。なかなかこういった発想で物語を夢想したことがなかったので、面白い切り口だなぁと思いながら読み進めることができました。

あとがきを読んで知ったのですが、作者の田丸雅智さんは現代のショートショートを代表する作家さんらしく、多くの短編作品を世に出されている方のようです。Amazon にも多くの書籍が販売されていました。

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また、noteでショートショートが書けるカードゲームなんかも発売されているようです。

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いろいろチャレンジングなことをされている方で、興味深い人だなぁと思いました。

話を「ショートショート実験室」に戻しましょう。全短編にはちゃんとオチがあって、そのオチが「ははぁ、なるほどなぁ」と思うものもあれば「ん?これはどういう意味だ?」というものもあり、短編を読んでから次の短編を読む間に少し時間を設けて「うーん」と考えてしまうこともありました。例えば、「砂モデル」という短編がありまして、砂がパーツのプラモデルが駄菓子屋で販売されていて少年がそれを購入し一生懸命組み立てた後、できたと思って寝て起きたら砂になってなくなっていて、おばあちゃんに聞いてみると、波にさらわれてしまったんだねと言われてしまいます。少年はなぜかその儚さに魅了されて何度も砂モデルを買っては組み立て、買っては組み立てしていたが、少年の心はいつぞやからか砂モデルからは離れていき、少年は大人になる。大人になったある日、その少年は物置の奥からまだ組み立てていなかった砂モデルを発見する。久々に組み立ててみるかと箱を開けると、パーツは一つも見当たらない。あるのは波にまかれて舞い上がる黄色い砂だけであった。。。そういう話なんですが、皆さんはオチの部分をどういう解釈をされますか?私は地球温暖化によって海水の水位が高くなってしまって当時の砂浜だったところが海水に満たされるまでに水位が上がってきてしまって組み立てる前に波にさらわれてしまった。というオチに思えました。こういうオチなのかな?と考えるのもこの本の面白いところかもしれませんね。皆さんも、ショートショート実験室を読んでオチを楽しむとともに、環境問題についても考えてみてはどうでしょうか?

最近本を読むようになって、僕は短編集が性に合っているのかなぁという気がします。寝る前に数ページ読んで、眠くなったら寝る。そういう本の読み方をしているので短編集はそのサイクルにちょうど合うからなんでしょうね。今後も田丸雅智さんのショートショートは読んでみようと思います。それではまた。